自己満足で終わらせない!事業をアップデートするブランドムービー制作のプロセス大公開|ONE SWORD株式会社

自己満足で終わらせない!事業をアップデートするブランドムービー制作のプロセス大公開

ブランディング
ONE SWORD編集部

こんにちは!広報ライターのらっぴーです。
私はワンソードの社外パートナーとして、広報関連の業務に取り組んでいます。
初めてお目にかかる方は、私の担当する「ワークフロー公開シリーズvol.1」もぜひご覧ください!

 

さて、改めてになりますが、ワンソードは「ソーシャルグッド=社会をより良くする事業」を、デザインの力で支援する会社です。ワンソードの言う「デザイン」とは、課題を解決する「戦略を構築して実行すること」そのものを指します。
(詳細はHPのABOUTページをどうぞ!https://onesword.jp/about

普段はポップに「ソーシャルグッド✖️デザイン」を謳っているワンソードの、実は緻密に積み重ねられているワークフロー。具体的な施策を取り上げて、ワークフローどころかワンソードの思考そのものを大公開するこのシリーズ。

第二回は、ワンソードの誇るクリエイター、トシさんの動画制作に迫ります!
ただの「動画作りがうまい人」ではなく、「事業目線を持つビデオグラファー(映像制作の企画〜制作まで、一連のワークフローを単独でこなす映像作家)」として、何を表現するためにどんな動画を作るのか?
まずは、今回の施策内容と、担当者をご紹介。

【施策内容】

GREEN TECHNO21(グリーンテクノ21)さまのコンセプトムービー制作

【担当者】

あべけん
プロデューサー
事業フェーズと目的に合った施策のアウトラインを設計。ワンソード代表。
トシ
ビデオグラファー
企画・撮影・編集など、動画に関わる全工程を制作。

【社外パートナー】

UK
ライター
今回の動画においては表現を洗練させる演出を担当。動画に必要な情報をもとに、効果的に伝えるための方針・見せ方を提案。

 

普段、多くは語らないトシさん。

そんなトシさんの姿勢を追うことで、ワンソードの「伴走型支援」を実現する動画作りが見えてきました。

こんなに見せちゃっていいの…な企画第二弾、始まります!

もはや定番、zoomインタビュー

 

「一社での事業の限界」を突破し、
事業モデルのアップデートを支援する

 

らっぴー
今日もよろしくお願いします!
あべけん
こちらこそよろしくです!
らっぴー
まず、グリーンテクノさんについて、教えて頂けますか?
トシ
それを知って頂くのに、僕らが作ったコンセプトムービーを見てもらえると。
らっぴー
しゃれとる…!そしてわかりやすいですね。
大量に廃棄されている卵の殻を、有意義な資源にしようと取り組まれているんですね。
あべけん
そうです。「卵殻のアップサイクル事業」ですね。
らっぴー
アップサイクルですか。
あべけん
はい。紙ゴミから作る再生紙など、「再生前と同等のもの」に再生するのがリサイクルだとすると、「デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせた、別の新しい製品」にアップグレードして生まれ変わらせるのがアップサイクルです。
グリーンテクノさんは、廃棄される卵殻をアップサイクルすることで、「廃棄コストの削減」「社会的価値の創造」「安価で高品質な商品作り」「地球環境の改善」などを目指されています。

グリーンテクノさんが作り出す社会的インパクト

らっぴー
卵の殻を生まれ変わらせることで、そんなに大きな価値になるんですね。
日本でここまで多くの卵殻が捨てられているなんて、恥ずかしながら考えたこともなかったです。今朝も2個使った…
あべけん
多くの人はそうですよね。
グリーンテクノさんがすごいのは、「廃棄量ゼロ」を本気で目指してやっているということです。この事業を黒字化しているだけで全国稀に見るくらいのことなんですが、グリーンテクノさんご自身も、本当に地道に努力を重ねて20年近くかけて黒字化されています。
それだけで並大抵なことではないですから、そこで満足してしまいそうなところを、自社の経営を超えて「卵殻の廃棄をゼロにする」ことを見据えている。

それも「実現しなくても夢は大きく!」というものではなく、確かな「目標」として掲げられています。

らっぴー
25万トンをゼロに…!数字だけ聞くと、途方もなく感じます。
あべけん
本当に。
でも、本気で取り組まれているし、グリーンテクノさんの発想力や企業力を近くで見ていると、きっと実現されるだろうと思えるんですよ。実際に、現時点で6000トンの廃棄量削減を実行されています。

ただ、下社長がはっきりおっしゃっているのは、「一社ではゼロに出来ない」ということ。やっぱり、自社で商品を作って直に売るだけでは、量的に限界があるので。

らっぴー
そうですよね、一社だと。
あべけん
だから、事業モデルのアップデートを模索されていたんです。
目指すべき次のステージは、グリーンテクノさんの理念に共感して、協業して頂ける輪を広げること。そのために、「発信力」という武器を得ること。
そういったことを目指して、僕たちの伴走型支援がスタートしました。

 

プロモーションでは終わらない、
ブランドを確立する動画を

 

らっぴー
その「発信力」という武器の一つとして、動画を作られたわけですね。
あべけん
そうです。事業構造や、どういう人達が関わっているのかも含めて伝えるために、5分くらいのコンセプトムービー*を作ることにしました。

*コンセプトムービー:事業内容の紹介だけでなく、企業理念やビジョン、商品やサービスに込められた想いといった、抽象的な概念(コンセプト)を伝えるための動画。

らっぴー
今回、動画の中でも「コンセプトムービー」を選ばれたのはなぜでしょうか?
トシ
今回の施策の大きな目的は、「グリーンテクノさんが提供する原料(卵殻)や技術協力を元に、新商品開発を行うパートナー様を増やす」ことでした。
そのためには、事業内容だけでなく、グリーンテクノさんの企業理念までしっかりと伝える必要がありました。

実際の協業企業様

らっぴー
事業紹介だけでは、目的に届かないだろうという?
トシ
そうですね。最初はもっとシンプルに、事業内容が分かって、「グリーンテクノは有意義な卵殻再生事業やってます」という感じのプロモーション動画を作る案もあったんです。
でもそれだと、「いい会社だな」とは思って頂けても、実際に事業に参画して頂くまでにはいかないという結論になって。
らっぴー
手法や内容の説明だけでは、そこまでのモチベーションは喚起できないんじゃないかと。
トシ
やはり、一緒に輪に入って行動して頂くには、「この会社と一つのムーブメントを作りたい!」という、強い共感が必要なので。
グリーンテクノさんが、この事業をなぜやるのか、何の課題に対してどういう風に向き合っているのか。何を目指して、どういう風に事業を展開していこうとしているのか。事業の意義に加えて、そういう「会社の意志」のようなものを表現したかったんですよね。
そのうえで、「私たちと一緒に、卵殻再生事業に取り組みましょう!」というメッセージを、動画で発信することにしました。
らっぴー
なるほど。「行動」につなげるには、強い共感と輪に入る意欲を引き出すことが必要なんですね。
それって、例えば「下社長の力強いインタビュー動画」とかでは難しかったんでしょうか?
トシ
確かに、「共感を呼ぶ」という点では、そういう選択肢もあったと思います。
ただ、それだと下社長の魅力頼みになってしまうのと、グリーンテクノさんの「ブランド確立」に繋がりにくいんじゃないかな…と。
らっぴー
というと?
トシ
これは、僕たちを含め、地方にある会社の壁だと思うんですが、地方にあるというだけで「地方で頑張ってる会社」という小さな見え方をしてしまいがちだなと感じてて。
らっぴー
「地方フィルター」みたいな。
トシ
そうそう。でもそれじゃもったいないというか。
UK
グリーンテクノさんって、ものすごい発想力と行動力があるだけじゃなく、何というか…洗練された感性とか世界観をお持ちですよね。
トシ
そう。それを表現したくて。
「地方で頑張ってる面白い会社」の域を抜けて、グリーンテクノさんの持つ魅力を「ブランドとして確立する」ためには、世界観を作り込んだコンセプトムービーが必要だと思いました。
らっぴー
「会社の本来の魅力」を最大限伝えるための、コンセプトムービーだったんですね。
じゃあ、洗練されたテイストで作ろう!ってスタートしたんですか?
あべけん
「世界観を作り込もう」っていうのは固まってたけど、動画自体のテイストは、作りながらの部分もあったよね?
トシ
そうだね。卵の殻のマテリアル感、表面のざらっとした感じとか、グラスプ*っていう商品パッケージの優しい手触りとか…そういう雰囲気を出せるといいかなと思って、テイストは組み立てていった感じ。

*グラスプ:ボルダリング用の滑り止めチョーク。グリーンテクノさんの主力商品の一つ。

トシ
そこに、「卵の殻が色々なものに生まれ変わる」っていう要素を、色んなものを組み合わせるコラージュ風の表現にしようと考えて、今回ああいう、写真を切り抜いたような作りにしました。

らっぴー
グリーンテクノさんの商品等も参考にされるんですね。
そういうテイストとか手法って、結構スムーズに決まるものなんですか?
トシ
もちろんその時によるんですけど、今回は、最初はストップモーションで卵を色々動かすと面白いかなって思ってましたね。でもビデオコンテ作ってみて、それだけだと、なんか「動き的に面白い」というだけで終わってしまいそうな気がして。
らっぴー
ビデオコンテ?ビデオコンテって何ですか?
トシ
あ、イメージ組むためのラフ動画っていうんですかね。こんなやつです。
らっぴー
これラフなんですか!本番の前にこれを作る?
トシ
はい。粗々ですけど。とりあえず情報は網羅して、そこからイメージをすり合わせるための確認サンプルという感じです。
らっぴー
でも全然成立してますよね!ラフでこんなの作ってもらえたら、期待値めっちゃ上がります。
このビデオコンテのおかげで、より良い表現が見えてきたってことですね。
トシ
そうですね。
らっぴー
こういうことを積み重ねながらテイストは定めていったということですが、他にも色々なテイストに振れるものなんですか?
トシ
結構色々、作れると思います。
らっぴー
頼もしい…!
トシ
動画って、自分の専門分野を持って専門性高くやられている方が多いと思うんですけど、僕の場合は、企画も撮影もデザインも編集も一通りやってきてて。守備範囲が広い分、色んなもののエッセンスを取り入れて、目的のために最適な方法で表現するのは得意かもしれないです。

トシさん制作の動画たち(一部抜粋)

あべけん
トシは、ただ技術力のあるクリエイターってだけじゃなく、事業目線を兼ね備えているのが魅力だと思います。僕が事業理解から解決策の当たりをつけた後、その趣旨を理解した上でクリエイティブに昇華してくれるんですよ。そこを理解してくれる、理解しようとしてくれるクリエイターさんは、実際のところ決して多くはないと思ってて。そのうえで、出来上がる動画のクオリティが高い。
僕は、トシの動画のファンですねぇ。
らっぴー
表面的な見栄えとかじゃなく、施策の本質を解釈して、動画に落とし込むことが出来るんですね。
あべけん
そう。だから、世界観やニュアンスみたいな、要件定義ではっきり言語化出来ないようなところも、「あーちょうどいいね!!」っていうのを出してきてくれます。

 

人数以上に厚みのある工程
3人で事業解釈、要件定義、制作全て、+αの演出まで

 

らっぴー
なるほど。要件定義って、どんな風に定めるんですか?
あべけん
まずは、僕がパートナーさんからお話を伺って、事業の全体像や、どこに向かっているのかというのを確認します。
これ、それを資料化したものです。

UK
これは、ワンソード名物「アベメモ*」ですね。

*アベメモ:パートナーの事業における座標やベクトルを、代表安部がヒアリングをもとに1枚の図にまとめたもの。ワンソードの伴走支援においてはキックオフ時に制作されることが多く、地味ながら実は最も価値のあるプロセスのひとつだとされている。(UKさん談)

らっぴー
アベメモ(笑)
わかりやすい。この共通認識をパートナーさんと必ず持つというのが、ワンソードならではですよね。
あべけん
そう。動画一つでも、ロゴ一つでも、たとえバナー一つでも、事業の全体像をパートナーさんと一緒に掴まないことには、結果の出る方向には進めないと思っているので。
資料化は必須ではないですが、先方との確認工程は、必ず通ります。
らっぴー
ワンソードの譲れないところですね。
ここから、それぞれの専門分野につなげていくんですか?
あべけん
そうですね。動画制作であれば、トシにつなげて。事業目的を解釈するところから、クリエイティブに落とし込むところまで。そこに、今回はUKさんも加わってもらって、動画の内容をより効果的に伝えるにはどうしたらいいか、洗練してくれたっていう。
UK
役割としては演出みたいな感じでしたね。
らっぴー
3名のチームとは思えない工程の重厚さ。
UKさんは、ナレーション原稿や全体構成の作成がご担当だと思ってました。
トシ
動画の構成は、一通り僕がやってたんですよね。ただ、あと一押し、何か足りないなっていう感覚があって…。動画自体を作れる状態ではあったんだけど、「作って終わり」になっては意味がないので、その「足りないもの」を言語化する必要があるなと思って。そこに、UKさんに入って頂いたっていう。
らっぴー
UKさんが入られて、どんな変化があったんですか?
トシ
のどの小骨が取れたみたいな。
らっぴー
小骨(笑)
UK
情報構成としては、ほんとそのまま作り出せるくらい、十分まとまってたんですよ。僕が入らせてもらった時点で。
でも動画って、何分流してても、受け手に伝わるメッセージは、結局一つだと思っていて…。そのワンアイデア、ワンメッセージをどうまとめるかっていうところを、多分トシさんは悩んでたんですよね。
だから、そこをはっきりさせるところから始めましたね。
らっぴー
どうまとめられたんですか?
UK
「行き止まりでつかえてたものが循環し始める」みたいなイメージですね。
そのアイデアを、トシさんが一番効果的に伝える構成に変えていってくれました。
トシ
「卵殻をアップサイクルする未来」と「しない未来」で、二つの道があるよねっていう提案で、すごくしっくりきて。その軸が定まったので、最後一気に加速して進められましたね。
UK
なんかこう、トシさんがまとめてた「情報」を「物語」に変えるのが自分の仕事だと思ってましたね。
トシ
確かに。UKさんのアイデアが入ったことで、あの動画に人格が宿ったなという感じ。
らっぴー
グリーンテクノさんの人格ですか?
あべけん
そうだね。今回の動画には、会社の温度感というか存在を肌で感じるような、「グリーンテクノの人格を込めたい」っていう強い気持ちがあって。やっぱり、「対ひと」を感じることが、一番共感に通じると思うので。
そこを突き詰めた結果、ナレーションも、トシが担当したんだよね。
らっぴー
あのナレーション、トシさんの声なんですか???
トシ
そう。まさかの…(笑)
らっぴー
どんな経緯で?
あべけん
ビデオコンテのナレーションを、イメージ作るために仮でトシが入れてたんだよね。
で、本番入れてもらうのに女性ナレーターさんに依頼はしてて、サンプルも出してもらったんだけど…今回の「グリーンテクノの人格を出したい」っていう目線では、トシの声の方がしっくりくるんじゃないか?っていうことになって。
らっぴー
まさかのナレーターデビュー(笑)
あべけん
最後までほんとに悩みましたけどね。ナレーションの質という点では、もちろんナレーターさんの方が間違いないわけです。「動画としてのクオリティ」と「人格を表現出来るか」って、重ならない部分もあるので。先方ともかなり協議した結果、人格を出す方を突き詰めたっていう。

グリーンテクノさんの人格イメージが、不器用なんだけど誠実というか、魂がこもってる感じで、それがトシの声だと一番表現出来るなって。

トシ
グリーンテクノさんを近くで色々見てきてたし、そういうところが声に乗ったのかな。
らっぴー
さっきのUKさんの「情報を物語に」じゃないですけど、トシさんの感情が乗ることで、ナレーションが物語になったんですね。
トシ
そうかもしれない。
らっぴー
でもそこで、「ナレーションをトシさんに」って踏み切れるところが、ワンソードですよね。「今回実現すべきことは何か?」が常に最優先にあって、最適解のためには新しい手段でも挑戦される感じ。
あべけん
そうですね。それは、やっぱり僕たちが「伴走型支援」を目指しているからこそ出来ることだと思っています。
単発の「質の高い」制作物を作るために施策を行うわけではなく、長期的に「パートナーさんの事業をアップグレードする」サポートをしたい。そのためには、僕たちも、パートナーさんと同じかそれ以上のスピードで成長し続ける必要があります。「やったことがないから」や「僕たちの専門はここまでだから」といった線引きをしては、パートナーさんと一緒に成長していくことは難しいんじゃないかと思ってるので。
らっぴー
確かに。
あべけん
動画一つにしても、「長期的な支援」のために事業理解を深めてから制作することで、パートナーさんの細部に宿る部分まですくい上げて具現化出来ると考えています。だから、テイストも手法も、偏りなく「その施策におけるベスト」を選択します。
これは、僕たちが今までに制作した動画を、一部抜粋してまとめたものです。
らっぴー
すごい。この動画自体がかっこいいし、ドキュメンタリー系からアニメーション、Youtubeまで、本当に色んなテイストのものがありますね。この一つ一つの動画全部が、今まで伺った様な丁寧な工程から生まれてるんですよね。
あべけん
はい。それぞれ制作したメンバーは様々ですが、全員が「パートナーさんを長期的に支援するには何を作るべきか」という視点を持って、施策をかたちにしています。
もし結果的には一度の制作で終わったとしても、長期的な視野を持って行った施策は、必ずそのパートナーさんを支える力になると信じているので。「伴走型支援」を目指すために、そういった信念を持って、一つずつの施策を積み重ねています。

 

 

いかがだったでしょうか?
「ワンソードの得意なものを作る」のではなく、「パートナーさんにとってベストなものを作る」というブレない軸を持っているワンソード。

その軸があるからこそ、やったことがないことにも挑戦出来る。
人数は小規模ながら、その挑戦を繰り返すことで、人数以上の価値を生んでいるんだろうと感じました。

次はどんな新しいことにチャレンジするのでしょうか?
いちパートナーとして、純粋に楽しみです!

また、動画制作にお困りの方、継続的な支援をお求めの方は、ぜひ一度ワンソードにご相談ください。
具体的なイメージがなくても、事業の現状や今後必要なことを丁寧にヒアリングした上で、ベストな施策をご提案します。
ご興味のある方は、下記よりお気軽にご連絡ください!
ご相談、お待ちしております。
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