直取引90%超えの秘密とは?伴走型Web制作の裏側を一挙公開!【前編〜企画・設計〜】|ONE SWORD株式会社

直取引90%超えの秘密とは?伴走型Web制作の裏側を一挙公開!【前編〜企画・設計〜】

ブランディング
ONE SWORD編集部

こんにちは!広報ライターのらっぴーです。

私はワンソードの社外パートナーとして、広報関連の業務に取り組んでいます。
ワンソードが、大手広告代理店などに頼らず5年も生き抜けているのはなぜなのか?その理由に迫るための、ワークフロー公開シリーズを担当します!

 

さて、改めてになりますが、ワンソードは「ソーシャルグッド=社会をより良くする事業」を、デザインの力で支援する会社です。ワンソードの言う「デザイン」とは、課題を解決する「戦略を構築して実行すること」そのものを指します。

(詳細はHPのABOUTページをどうぞ!)

そして、ワンソードのパートナー様は、それぞれが掲げるミッション実行のための熱意に満ちています。その「個々の問題意識」に対する真摯な熱量が、「社会をより良くする」事業に繋がっているとワンソードは考えます。

そんなパートナー様を支援するには、生半可な向き合い方では太刀打ちできません。

ではどんな姿勢で、どんな熱意で仕事と向き合っているのか?
普段はポップに「ソーシャルグッド✖️デザイン」を謳っているワンソードの、実は緻密に積み重ねられているワークフロー。具体的な施策を取り上げて、これから定期的に大公開していきます!

 

第一回は、ウェブサイト制作の流れを、前後編でお伝えします。
まずは、今回の施策内容と、企画・設計関連の担当者をご紹介。

【施策内容】
CROSS CARE DENTAL(クロスケアデンタル)さまのウェブサイト改修

【担当者】

あべけん
プロデューサー
事業フェーズと目的に合った施策のアウトラインを設計。ワンソード代表。
もち
ディレクター
施策の概要企画を担当。プロジェクト全体の進行を管理。
nobu
マルチプレイヤー
企画からデザインまで、必要とされればどの部門にも。ワンソードのリベロ。

 

さて早速、私がインタビューを通して感じた結論から。

ワンソードの仕事は、めんどくさいから信頼できる。

どういうことなのか?皆さんにお話聞いていきます!!

zoomにてインタビューを行いました!

 

手段の目的化はしない。
手段に縛られず、常に「目的を達成するためのベスト」を。

 

らっぴー
みなさん、今日はよろしくお願いします。
あべけん
らっぴーよろしくです!
らっぴー
クロスケアデンタル(以下CCD)さんのウェブサイト改修について教えてください。もともとのサイトも、ワンソードが制作したとのこと。なぜ改修に至ったんですか?
あべけん
CCDさんの事業フェーズが変わったと、CCDさんと僕たち双方が認識したからです。詳しくお話しする前に、まずCCDさんの紹介をさせてもらいますね。
nobu
CCDさんは、「介護と医療の垣根を超えて、より良い社会を作り出す」ことを理念に、介護業界の口腔ケアの普及に取り組まれている会社です。
らっぴー
ふむふむ。
nobu
介護現場では、飲み込んだ食べ物が誤って気管に入ってしまって起こる「誤嚥性肺炎」が非常に多く起こっています。誤嚥性肺炎によって多くの人が亡くなり、そのご家族や介護者の方々が心を痛められています。

代表の瀧内先生は歯科医師で口腔ケアの知見をお持ちであり、このような現状を変えたいと、口腔ケアを通して介護の力になるために「誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト(以下ゼロプロ)」を立ち上げられました。CCDさんは、この「ゼロプロ」を世の中に広めるために介護現場に寄り添う会社と言えます。

らっぴー
なるほど。
nobu
そんな使命を持ったCCDさんの創業から数年が経ち、ゼロプロの効果が証明されて介護現場の理解が進んできたことで、CCDさんの目指す先をアップデートすべき時期にきました。「ゼロプロやCCDさんの存在証明」自体が必要な段階から、「ゼロプロの意義や実績、ゼロプロに取り組む介護現場スタッフさんの熱意」を発信できる段階へ進んだんです。
あべけん
すごい進化ですよね。であれば、CCDさんやゼロプロに関わる方々にその進化が伝わるように、どこかで表現すべきです。そのための手段として、まずは「ウェブサイト改修」に取り組みました。

らっぴー
「手段としてのウェブサイト改修」の言い回しにこだわりを感じます。
あべけん
そうですね。今日はそこを伝えに来たって言っても過言じゃないです(笑)
らっぴー
今日のポイントがすでに!
あべけん
僕たちは制作ありきでは動かないようにしています。
予算や手間など貴重な資源を割いて頂く以上は、「施策を実行すること」ではなく、「施作によって結果を出すこと」が僕たちのミッションです。ここで目的と手段を混同してしまうと、絶対に結果は出せません。

例えば「ウェブサイトを作りたいからこうしよう」ではなく、「実現したい目的がこれだから、そのためにはこの施策が必要だ」という確認を先方と必ず行ってから、その施作に着手します。

らっぴー
つまり、「ウェブサイトを作りたい」という依頼が来たとしても、最終的には「必要がなければ作らない」という判断もあり得るということですか?
あべけん
そうですね。常に、その判断ができる勇気を持ちたいと思っています。
もち
ただ単に断るということではないですよ。「何を作るか」に縛られるのではなく、「目的のために最適な施策」を提案していきます。そのためには、依頼があったものとは別の施策を提案することもある、ということです。僕たちがその最適な施策を提供できない場合は、他社さんをご紹介します。
らっぴー
他社さんをご紹介してでも!徹底していますね。
あべけん
必要の無いものを作ることは、シンプルにお金や時間がもったいなくて、お互いにとって合理的ではないですからね!
もち
そのマインドは、メンバー全員が持ってると思います。
らっぴー
ワンソードマインドなんですね。でも、一つ一つの案件にそこまで向き合うのは、なかなか労力がかかりそうです。
あべけん
そうね。頼む側からしたら、めんどくさい部分もあるかも(笑)仮に具体的な制作物の依頼があっても、「事業のどんな課題を解決する必要があるのか?」「そのために本当にそれが最適か?」というところから始めて、絶対すぐには作らないので。時間はかかりますが、ここは、僕たちの譲れないところです。

 

クオリティを高めるための理論的な設計。
目指すのは「戦略としてのデザイン」

 

らっぴー
では具体的に、どんな手順で仕事を進めているんでしょうか。
もち
まず、全体の流れとしては、下記のような工程で進めます。

らっぴー
今回の「企画・設計」は、青い部分にあたるわけですね。
もち
そうです。このような工程のなかで、企画・設計においては、特に重要なワークが二つあります。

一つ目は、「ステークホルダーの洗い出し」。二つ目は、「ファネルの設計」です。

らっぴー
専門的な雰囲気きた!マーケティングに疎い私にもわかるようにお願いします…!
もち
まず「ステークホルダー*の洗い出し」について。これは、大前提の「今回の目的は何か、ウェブサイトが最適解か」を確認する工程です。

*ステークホルダー:企業の利害関係者、つまり「その企業の経営に、何かしら影響を受ける人たち」のこと。取引先や従業員、株主、地域社会、行政機関など。

らっぴー
ウェブサイト云々の前に、その企業の経営の、根本を考えている感じですね。
もち
そうです。ウェブサイトのことだけを論じていても、表面的なものしか作れないので。これは、「ステークホルダーとの相互交流によってよい関係性を築く」というPR戦略の根本を考えることでもあります。

で、このステークホルダーの洗い出しは、僕たちが決めるのではなくて、必ず先方と一緒にやります。資料を見るとわかりやすいと思うんですけど。

ステークホルダーとは?という話から始めて、まずはステークホルダーを8個に分類します(資料の緑字黒字)。CCDさんでは資料の通りですが、分類の内容は企業によって変わります。そして、そのそれぞれが抱える課題と、どう態度変容してほしいのか、を書いてもらいます(資料の赤枠)。

ターゲットごとに得たい変化や、各施策の効果までまとめる(赤枠内)

らっぴー
けっこう細かい。
nobu
ここは結構、僕たちが細部にこだわってるとこですね。
もち
そうしたら次に、さっき挙げた課題や希望は、どうやったら解決するのかを考えます(資料の黄枠青枠)。何を発信して伝えるべきなのか、逆にどんな情報を拾っていくべきなのか。PRの基本である、何を「広報・広聴」するのか、ステークホルダーとどんなコミュニケーションをすべきかを考えることで、必要なアプローチ方法が全て明確になるんです

もち
こうやって全体を俯瞰してから、事業戦略的にどの取り組みが優先順位が高いか、を議論します。また、各取り組みで叶えられることと叶えられないことも確認します。そのうえで、今回はウェブサイト改修が重要、かつ緊急な課題にとって効果的なアプローチだという結論になったので、制作に進みました。
nobu
こうやって見ると、色んな解決策がありますよね。その中で今回は、ウェブサイトに帰着できたっていう。
らっぴー
なるほど。このワーク、他の施策を打つ時にも役立ちそう。
もち
まさに。ウェブサイトに限らず、何をやるべきなのかをフラットに書き出すので、今回拾えない部分が客観視できます。今後必要になる施策を、双方で確認する役割もある。
あべけん
僕たちは「一過性の制作」ではなく、継続的な「伴走型支援」を目指しています。そのためには、パートナーさんの事業を深く理解していることが重要です。こういったワークを通して、少しずつ分析と理解を深めて、必要な時に阿吽の呼吸でスピーディーに動く。それがワンソードの「伴走型支援」の強みです。
らっぴー
一方的な提示ではなく、一緒に進めるというのもこだわりでしょうか。
もち
そう。やっぱり、その事業のことを最も理解しているのは、事業を日々成長させているパートナーさん自身です。外から見た僕たちの視点だけでなく、現場の肌感やニーズがきちんと反映されることで、結果に直結する施策に近づきます。このワークで最終、今回ならウェブサイト上で意識すべきターゲットの優先順位がはっきりしました。

最初の段階で、こういった「事業レベルの現状から目的を定める」という作業を、事業の全体像を把握してる人とやるんです。この工程によって、お互いに合意したゴールが定まります。そうしたら、いざ実働が始まって様々な意見が出てきても、目的に則った判断ができます。目的達成に直結するアイディアだけを採用・優先することができるので、出来上がってから「こんなイメージじゃなかった」と齟齬が起きることがないですよね。

あべけん
あと、これはとても大切なことなんですが、成否の指標が明確になります。施策の目的が明確になれば、それを達成できたのかどうかも判断しやすいですよね。かけた予算と労力以上の価値があったかを、客観的に効率的に振り返ることができるようになります。
らっぴー
なるほど…!手間をかけているようで、後々の無駄を省ける近道なんですね。

もち
そうですね。あとこれ、出発点の確認でもあるんだけど、実は最終的なディテールの追い込みにめっちゃ重要なんです。

というのも、事業レベルで「今回の目的は何か」を見据えないと、判断ができないから。AかBどちらのデザインがいいか、どちらの文言がいいかと考える時に、この「目的」こそが判断基準になります。「なんとなくかっこいい気がする」「誰かの好みで」と選んでしまうと、最終的に軸の見えない、ちぐはぐなものになってしまいやすい。決めることというのは、フォント選びや文字サイズまで、本当に多岐に詳細にあるので。だから、最初にやるこの工程が、最終仕上げの段階で、クオリティの追い込みに一番効いてくる。完成度をあげるためにも、必須工程だと考えてます。

らっぴー
「おしゃれだから」「かっこいいから」ではなく、「なぜそのデザインにするのか」が明確になるということですね。デザインには必ず目的がある、とよく言われますが、それを体現されていると感じました
あべけん
それそれ。僕たちも「デザイン≠おしゃれなもの」で、「デザイン=戦略」だと考えています。
戦略には、必ず根拠があります。このワークはその拠り所なんです。
らっぴー
ということは、他の案件でも、これは必ずやるんですか?
もち
やりますね。案件の規模によって程度は臨機応変にしますが、この考えは必ず通ります。絶対に省けないかな。
らっぴー
これを必ずやるのは心強いですね。あと、単純に面白そう。
あべけん
面白いよ!このワーク自体もだけど、仕事の結果をはっきり「狙えてる」実感が持てる。
らっぴー
と言うと?
あべけん
手探りじゃなく、ピースをはめていくように施策を進められるので。何のためにやるのか、周りにどう変化して欲しいのか。「何かを狙って、その通りに結果が出る」のは、超気持ちいいよ。
らっぴー
えぇ〜〜〜面白そう…!
キリがなさそうなので(笑)、次お願いします!
もち
そうね(笑)
次は、「ファネルの設計」について。ウェブサイト制作が決まったうえで、「ウェブサイトを通して、各ターゲットにどんな行動を促したいのか」を考えるために、ウェブサイトを訪れる前後の行動まで分析します。
らっぴー
前後の行動まで?
もち
そうです。ファネルっていうのは、要は「ろうと」のことなんですけど。資料の右側の図ですね。認知→行動までのステークホルダーとの接点を図式化したものです。

もち
この図と照らし合わせて、それぞれの対象者にどんな経緯でゴールにたどり着いて欲しいか、を挙げていきます。例えば上資料の新規顧客であれば、「認知」→「メディアへの露出」や「他施設からの紹介」で知ってもらおう、とか。
nobu
さっきのステークホルダーの洗い出しによって、「今回の施策の目的」と「ターゲットの優先順位、どう行動変容してほしいか」がはっきりして。だから今度は、各ターゲットは実際どう行動するのか?を掘り下げたってことですね。
らっぴー
サイトの設計って、どのページにアクセスが多いとか、そういう分析で作られるんだと思ってました。
もち
それももちろんやりますよ。でもその数値だけを見ていても、それぞれのターゲットが何を見て、どんなことを考えてこのウェブサイトに来るのか?を想定したデザインは作れません

その他の数値分析の一例

もち
どういう経緯や思考でこのウェブサイトに来て、その後どんな行動をするのかっていうのはターゲット毎に全然違うので。その情報をそれぞれまとめているのが、さっきのファネルの資料。
らっぴー
具体的に、どう役立つんですか?
もち
各ターゲットが「どんな思考・モチベーションでサイトに訪れるのか」、そして「最終どんな行動を起こしてもらいたいのか」という流れで設計することで、「何の情報を、どの順番で提示して、どんな体験をしてもらうべきか」がはっきりします。
これを積み重ねると、ウェブサイト全体の適切な構成が見えてくるんです。

実際に今回は、こういった情報をもとに、全体構成とレイアウト設計であるワイヤーを組みました。


らっぴー
なるほど。数値分析もして、ファネル設計もしてって、なかなか大変そう…。
もち
確かに手間はかかります。実際は、まだまだ他の工程もあるしね。
らっぴー
まだまだ!
もち
ありますよ〜〜〜。事業フェーズの確認、他社との差別化ポイント、ビジュアル的なサイト設計、各ページの構成案検討、参考イメージのリサーチ…。

紹介したワークは、全体工程の中のごく一部。

もち
でも、やっぱり根本に立ち戻って、なぜ今回ウェブサイトを作るのか?ってことなんですよ。

表面的な「かっこいいウェブサイト」が欲しいからじゃない。企業ビジョンがあって、そのためにターゲットに起こしてもらいたい行動があって、それを叶えるためのウェブサイトを作りたい。そのために必要な工程です。

 

パートナーさんを、しがらみに縛られずに最大パフォーマンスで支援したい。
だから、直請けにこだわる。

 

らっぴー
一貫した信念を感じますね。
あべけん
もっと簡単に作る方法は、いくらでもありますよ。でもそれを選んだら、ワンソードである意味がない。
nobu
そのために、下請け的な案件は受けてないですしね。
あべけん
そう。僕たちは、代理店案件を受けてないんです。

これって、企業の生存戦略としては、結構ハードモードなんですよ。もちろん、代理店と下請け契約すれば、いくらかは安定供給されるし、パイプができたり全国的に有名な案件の実績が積めたり、メリットもあるんです。でも、そういう案件では、今まで言ったみたいなめんどくさい話をパートナーさんと直接、かつ自由にすることは難しい。

僕らは、自分たちが共感する相手に、伴走型デザインで寄り添いたい。一緒に結果を出したい。そのために、パートナー企業さんと直接コミュニケーション出来る、直請けにこだわり続けています。

らっぴー
熱い…!
そんなハードモードのなか、ワンソードは5年を乗り越えてきたわけですね。
あべけん
そうです。地道なことは多いですけど、見てくれている人は見てくれて、リピートしてくださったり紹介してくださったり、周りの方々に支えられながら来ましたね。
あと現実的な話にはなりますけど、中間マージンが抑えられる分、一般的な広告代理店さんと比べたらうちは予算が抑えられるんです。それも、リピートやご紹介に繋がってる理由の一つかな。もちろんクオリティが伴わないと意味がないですが、そこに関しては、実際のものを見て頂くのがいいかなと。
らっぴー
お。では後編は、デザインチームへ引き継ぎましょうか!
あべけん
お願いします!

 
 
 

いかがでしたか?皆さんの熱い思いが伝わったでしょうか。

ウェブサイト制作のために、企業経営の根本から考える。
私が想像していたよりも、ずっと多くの工程を踏んで、丁寧に慎重に企画がされていました。

でも、どんなにこだわりの企画・設計があっても、出来上がるもののクオリティは気になりますよね。そこで後編は、デザイナー・ライターなどのデザインチームへのインタビューです。これを書いている時点で、私も完成サイトを知りません!(笑)

企画・設計チーム渾身の骨組みに、一体どんなデザインが乗るのか?
お楽しみに!!

↓後編を読む↓

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