こんにちは!広報ライターのらっぴーです。
私はワンソードの社外パートナーとして、広報関連の業務に取り組んでいます。
はじめましての方は、ぜひ前編をご覧ください!
さて今回は、ウェブサイト制作フロー公開の後編、デザインチームへのインタビューです。
まずは、改めて施策内容と、デザイン・ライティング・動画の担当者をご紹介。
【施策内容】
CROSS CARE DENTAL(クロスケアデンタル)様のウェブサイト改修
【担当者】
もち
ディレクター
プロジェクト全体の進行を管理。常に俯瞰の目を持つワンソードの指揮者。
トシ
動画制作
企画・撮影・編集など、サイト上の動画に関わる全工程を制作。
【社外パートナー】
なんちゃん
デザイナー
トーン策定から、各ページのレイアウトまで、デザイン全般を担当。
UK
ライター
コピーを含めた、サイト全体のライティングを担当。
前編で、企画チームがCCDさんの企業経営の根本を見つめ直したうえで設計した、サイトの骨組み。

「ステークホルダーの洗い出し」や「ファネルの設計」などのワークを通して辿り着いた、
サイトの原案。
このベースに、一体どんなものが実装されて、サイトが出来上がっていくのか?
印象的だったのは、企画もデザインも、どちらかが指示を出すような関係ではなく、常に同じ目線で「結果」に向かって高め合っているということ。
実際にみなさんのお話を聞いていきましょう!

今回も、ZOOMにてインタビューを行いました!
社会を動かす事業の発端は、「目の前の課題を解決すること」 現場目線と社会規模の視野を持って、パートナーさんについて考える
らっぴー
みなさん、本日はお時間頂いてありがとうございます!
もち
今回もよろしくお願いします。
らっぴー
ついにリニューアルしたサイトが公開されましたね。まずはそれを見てもいいですか?
もち
はい、もちろん!こちらです。

クロスケアデンタル様コーポレートサイト(画像から飛べます!)
らっぴー
おお〜〜〜。インタビューした上で見ると、制作には関わってないのに感慨深いです…!(笑)トップページの動きが印象的ですね。
みなさんは、どんな流れで制作に取り組まれるんですか?
もち
まずは、前編で紹介した、僕らの作った企画書を共有します。
UK
ワンソードの企画書、どんどんアップデートされてますよね。ステークホルダーを360度見渡してアプローチを精査した工程があったり、外部から参加する僕らにも企画チームの意図が汲み取りやすくなってます。

ステークホルダーの洗い出し資料。
「ウェブサイト制作が今回なぜ最適なのか」を読み取ることができる。
らっぴー
じゃあこの企画書を読み込んで、ポイントを凝縮するところから始まるんですね。
なんちゃん
今回は一から作るサイトではなくて、「リニューアル」だったので、新しい要素を入れつつベースとなるデザイン*をどういい方向に膨らませるか?という部分もありましたね。
*もともとのサイトは、ワンソードのリベロ「のぶさん」がデザインしています!
nobu
僕です!
らっぴー
なるほど!CCDさんについてだけでなく、前任者のぶさんの思いも壊さないように積み上げられていったんですね。一番思い入れのある部分ってどこですか?
なんちゃん
やっぱり、ファーストビューのところかなあ。
らっぴー
あの印象的な。にっこりしてるみたいな。
なんちゃん
そう。まず、のぶさんが作ったCCDさんのロゴデザイン、そのブルーとピンクの意味はなんだ?っていうところから掘り下げて考えて。

CCDさんのロゴデザイン
なんちゃん
CCDさんが提供する大きな価値は、「データに基づく確かな情報」と「働く人の熱意」の二つだなと。「確かな情報」で信頼を築く誠実さは、ブルーで表現できる。「人の熱意」による温かみはピンクで表現しようと考えました。
そこに、CCDさんの「今回のサイトでは、現場や裏方でゼロプロに取り組む様々な方の情熱を伝えたい」という要望を踏まえて、温かみ80%で、「カジュアルすぎないけれど柔らかい印象」になるようにデザインを進めました。

なんちゃんさん制作メモ①
らっぴー
その誠実な親しみやすさが、ファーストビューに表現されているわけですね。
なんちゃん
そうそう。笑顔を伝えたいけど、あからさまな笑ってる感じではなくて、抽象的に柔らかく伝えたいなとか。右下のNEWSのところは、歯磨き粉っぽくしてみたり。

なんちゃん
こういう全体のトーンを定めて作ってから、仕上げの段階では、文字と文字の間隔とか、細かい部分まで検討していきました。
らっぴー
文字の間隔まで…!それを全ページ??想像しただけで気が遠くなりそう。
なんちゃん
そうですね(笑)
でも、そこを怠ってしまうと、文字や言葉の見える印象が違ってくるんです。一文字ずつ最適な配置をすることで、ライティングがものすごく生きてくる。
ここは、僕だけでなくのぶさんの目線も入れてもらって、二人掛かりでベストを模索しました。
らっぴー
トーン策定では企業アイデンティティを表現して、仕上げでは一文字一文字の配置を検討して…。デザイナーさんにも、事業を俯瞰する力と、細部まで突き詰める根気強さと、どちらも必要なんですね。
このお口の中の動画も、目を引きますよね。
もち
としさんのこの動画が、スクロールしてもらえるかを左右します(笑)
らっぴー
責任重大!(笑)
もち
もともとのサイトが、「CCDさんとゼロプロ*の存在証明」に重きを置いていたので、実際どういうことをどんな人達がやっているのか?が伝わりにくいという課題があって。その課題を解決するために動画を作ることにして、かなりこだわってやりました。
*ゼロプロ:CCDさんの掲げる、誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト。介護現場に正しい口腔ケア(ゼロプロ式口腔ケア)を届け、高齢者の肺炎のほとんどを占める“誤嚥性肺炎”をゼロにすることを目指す。
らっぴー
具体的にこだわった部分を教えてください。
トシ
まずは、CCDさんの取り組む「ゼロプロ式口腔ケア」とは何なのかが一目で伝わること。さらに、携わっている人達の顔が見えて、皆さんの真摯な思いが伝わること、を目指しました。
そのために、今回は「動画に手書きのコピーを載せる」という作りになっています。皆さんの真剣な表情と、意志のある言葉、手書きの文字の温かみ。これらを掛け合わせて表現したいなと。
らっぴー
確かに、音声ではなく手書きの文字だからこそ、表情と言葉が入ってきますね。
トシ
ただ、文字の視認性とかは結構難しくて。手書きの良さを残しながら、映像も字も見えるようにっていうバランスが難しかった。人とコピーに目をいかせたいので、見せたい表情や動き以外の情報を極力削ぎ落とした画を撮るようにしました。
今までにあまりやったことのない作りだったので、新たな挑戦でしたね。

文字バランスの調整(一部抜粋)。太さ7%、サイズ100pxの組み合わせを採用。

文字自体も、10回以上の手直しを実施。
らっぴー
映っているのは、ゼロプロが導入されている施設で実際に働かれている職員さんですか?
トシ
そうです。「人を見せたい」というのが一番にあって。
口腔ケアも一つの仕事だけど、動かしているのは人なので、その「人」に焦点を当てたい。CCDさんを取り巻く、ゼロプロに携わる人達のリアルな姿を撮りたかったんです。
とはいえコロナの影響があって、施設も非常に厳しい管理がされていたので、撮影自体にたくさん制約はあったんですが…。全員で徹底した対策をとって、慎重に撮影しました。
らっぴー
なるほど。とにかくファーストビューは、CCDさんの根底である「人の情熱」を表現してあるんですね。「静かに熱い」思いが伝わってきます。
もち
さらに人にフォーカスした、インタビュー動画も撮りましたよね。
トシ
経営に近い方から、ゼロプロに実際に取り組んでいる介護現場の方まで、色々な立場からの思いを伝えられるように、複数のインタビュー動画を作りました。
インタビューを見ることで、根底にあるCCDさんの思いとか、なんちゃんやUKさんが組み立てたサイトの全体像とかが実感を持って伝わるように、ということを意識して作ってます。
みなさんからとても誠実な、本当に現場目線のお話が聞けたので、ぜひ見て頂きたいですね。

インタビュー動画は、サイトの「ゼロプロとは」ページで見ることができます!(画像から飛べます)
らっぴー
「リアルな現場の声」というのは、サイトに来た人にとって、とても貴重な情報ですね。
トップ画面の動画のコピーは、UKさんが書かれたんですよね。
UK
そうですね。コピーというよりは、動画のテロップに近いかもしれません。シーンに合わせて順番にメッセージを出していきたいというご要望が、ワンソードさんからありまして。
らっぴー
なるほど。全体を通して、特に苦労されたところはなどありますか?
UK
ファーストビューの直下、2セクション目のコピーですかね。
最初の動画では、ここまでも話があったように「人の情熱」にフォーカスすることが決まっていたので、「人の心に火を灯す」というCCDさんの経営理念を文章で表現できればと思っていました。
ただ、その次…スクロールして、最初に目にする言葉は何であるべきかという部分は、かなり悩みました。

らっぴー
重要なコピーが二段構えだったわけですね。
UK
最初がエモーショナルな分、ここはふわっとしたものではなく、具体的に「CCDさんとは」が伝わる言葉を置きたかったんですよね。CCDさんは、簡単に言えば「介護業界に適切な口腔ケアを普及させる会社」です。じゃあ、それが実際に介護に従事している「現場の人達」にとって、どんな意味を持つのかを伝えたいなあと。
それは、例えば「ゼロプロの社会的意義」のように、広角レンズで全体像を捉えたような話ではなくて、ゼロプロを通した入所者さんと介護職員さんとのコミュニケーションが目に浮かぶような、リアルな目線を捉えた言葉がいいなと思いました。
そう考えた時に、介護職員さんの「手」について書こうと思ったんです。
らっぴー
口腔ケアだから、つい「口」について考えてしまいますが、「手」に焦点を当てたんですね。
UK
そうですね。
最初はそれこそ短絡的に、「口腔ケアなんだから、口というキーワードを使ってそれらしいことを書けばいい」と考えていたのですが、そこで一度、実際にゼロプロに取り組んでいる場面のことを想像してみたんです。
手袋をつけて、入所者さんの口の中を触る。歯茎や口内をマッサージする、学んだ方法でブラッシングする…。それを、週2回とか、定期的にやる。
これって介護職員の方からすれば、口じゃなくて手とか指先の感覚の話だなあと思って。
加えて、ゼロプロの効果はわかりやすく数字で現れているわけです。ゼロプロに取り組んだ実際の施設で、誤嚥性肺炎はもちろん、他症状も含めた入院日数全体が64%減ったという結果があるわけでしょう?
それはつまり、「自分たちの手や指先の感覚が、確かな成果につながっている」ということを信じられるということじゃないですか。

ゼロプロ導入による実際の成果(H29.4月〜H30.3月、特別養護老人ホームマナハウス実施結果より)
UK
絶対、毎日の仕事に対する心持ちが変わりますよね。自分がこのケアをやれば、苦しむ人を減らせる。その確信が持てる。その確信を持って、介護職員さんが、丁寧に口の中をマッサージする。
物理的にも、精神的にもなんですが、その手応えや、手触りを表現できたらと思いました。
らっぴー
確かに、自分の仕事が確実に人の命を救うことに繋がってると思えるって、すごいことです。仕事に誇りが持てます。
UK
本当にそう。「健康にとっていいですよ」というだけの話ではないなって。
らっぴー
ゼロプロの、健康改善にとどまらない可能性が表現されているページもありましたよね。
もち
はい、あります。CCDさんから始まるゼロプロを通した取り組みが、介護職員さんや入所者さん、ひいては国や地方自治体といった、社会にまでプラスの影響を与えることを示したページです。

もち
僕らは、ゼロプロは本当に意義のある、社会規模の課題解決につながるプロジェクトだと感じています。
でもそんな大きな事業も、根本をたどれば、「苦しんでいる入所者さんを助けたい」という、現場の純粋な思いから始まっているんですよね。
むしろ、「社会にとっていいことをしよう」という漠然としたイメージではなく、「目の前の課題をどうにか解決したい」と切実に思う気持ちが発端になっているからこそ、表面的ではない課題解決に結びつく、まさに八方よし*の事業になっているんだと思います。
*八方よし:元鎌倉投信の新井氏が提唱する、現代ビジネスの指針とすべき基準。近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」を、現代のステークホルダーの多様化を踏まえて「八方(社員、取引先、株主、顧客、地域、社会、国、経営者)」へとアップデートした考えであり、株主や売り手だけが儲かればいいのではなく、八方すべてに向けた価値を生みだそうという提案。
ワンソードも取り入れており、「ステークホルダーの洗い出し」ワークの分類にも反映されている。
らっぴー
手の届く範囲から始まって、それが社会までつながっているという、一枚での見せ方が特徴的ですね。
もち
ウェブサイトは、その会社自体やメイン事業について理解してもらうためにあるので、企業や事業を「引き」で見て、全体を伝える必要があります。それに加えて、社会を動かすほどの可能性を持つ事業の基になっているのは、常に現場での純粋な思いだということ。僕たちは、そこも伝えたい。
そのためには、僕たちにも、現場目線に立った「細部・リアル」の表現と、事業が社会に与える影響まで考えた「俯瞰」の表現が、全てを通して必要だと考えています。
「目的」を忘れて、立ち返って、ひたすら作る
その中から、ベストを「選び出す」のが僕らの仕事
らっぴー
そのようなマインドは、やはりみなさん持たれているんでしょうか。
UK
そうですね。
さっき話のあった、ゼロプロの社会的影響を示すページ。やっぱりこのページがそれを体現していて、「ワンソードならではの部分だな」と思って取り組んでました。
らっぴー
「ワンソードならでは」というのは、どういうところですか?
UK
このページは、単なる「事業紹介」とか「サービス概要説明」ではなくて、事業の「存在意義」を表現していますよね。事業と企業と社会が、一本の筋で串刺しになっていて、そのストーリーが過去、現在、未来まで描かれている。
単にウェブサイトを作るのが目的ではない、デザインの力で「ソーシャルグッド=社会をより良くする事業」を支援するという、ワンソードの理念が詰まっていると思ってて。一枚絵で見せるっていうのも含めて、ワンソードがCCDさんのウェブサイトを作る意味がここに凝縮されていると思います。
らっぴー
なるほど。CCDさんやゼロプロの存在意義を表現するこのページが、ワンソードの存在意義を示すページでもあるんですね。
もち
そうですね。卵殻の再生処理や再生製品の販売を手がけている、グリーンテクノ21という会社のウェブサイトもうちが制作したんですが、「グリーンテクノ21の存在意義」というページも、同じ意味合いを持つかなと思います。

株式会社グリーンテクノ21のウェブサイト(画像から飛べます!)
もち
こういったページは、どんな事業でも作れるというものではありません。「ソーシャルグッド」「真の八方よし」の事業だからこそ作れるのであり、そういった事業を伴走支援したいと常に奔走しています。
らっぴー
ではCCDさんのこのページは、ワンソードの改めての決意表明でもありますね。
もち
そうかもしれない。ワンソードの独自性というか、スタイルを確立するような表現をしたいと思って取り組みました。
だから、このページはほんとに何度も修正を重ねて精度を追求したよね。
なんちゃん
そうだね。第一稿と比べると、かなりみんなで突っ込んで。
らっぴー
細部を調整したということ?
なんちゃん
細部はもちろんだけど、今回の目的に則って、見せ方自体を追い込んで詰めていったかな。
らっぴー
具体的に、どう変化していったんですか?
なんちゃん
当初は、CCDさん、歯科衛生士さん、介護職員さん、入所者さんという、ゼロプロで直接的に繋がっている部分のみに焦点を当ててる感じでした。
もち
初期ワイヤー、これです。

らっぴー
確かにこれだと、「口腔ケアを行うまでの流れ」は分かりますけど、事業紹介にとどまっている印象ですね。
もち
そうですよね。ここから、ワンソードが作るんだから、この事業を引きで見た時の意義、「国や地方自治体を動かす可能性を持っている」という社会性まで伝えるべきだよねと。
見せ方についてそこまで発展させて、その上で細部をさらにブラッシュアップして、実際のページが完成しました。
らっぴー
企画チームへのインタビューで、ワイヤーの段階でかなり練られている印象だったんですが…そこからさらに、デザインに落とし込みながら、全体の構成まで洗練させていくんですね。
もち
もちろんです。目的を達成するために作っているので、それが企画段階であろうとデザイン段階であろうと、目的に則っていれば取り入れます。
らっぴー
企画チーム内でも、今みたいな「目的」についてたくさんお話がありましたよね。
デザインには必ず目的があって、ワンソードでは「戦略としてのデザイン」を目指しているということだったんですが、それはデザインチームのみなさんも意識されているんでしょうか?
UK
意識してる……。それ自体はデザインの基礎の基礎だと思ってます。
なんちゃん
つい忘れがちなことでもありますけどね。試行錯誤しながら、何度も何度も意識して最初の「目的」を思い出さないと忘れちゃうというのはある。
UK
確かに。またその、忘れてる時間もそれはそれで大事だったりもして。
らっぴー
「理論の部分」は、忘れて無心で作る時間も、立ち返って照らし合わせる時間も必要ってことですね。
UK
そうそう。忘れて立ち返り、の繰り返しが結局いいのかも。というより、そうなってしまう。
なんちゃん
僕たちの仕事って、つまるところ、作った中から「選び出す」ことだと思ってて。
「作ること」は、やろうと思えば、実は誰にでもできることなんです。作ること自体に正解不正解はないから、個人の感性によって、いろんなものが作れると思うんですけど。
僕たちが仕事をするうえで任されているのは、その作った何十案の中から、最初の企画書や膨大な資料からわずかなヒントを集めていって、「ベストを選び出す」という部分。
僕も毎回、目的を忘れるというか見失うくらい試行錯誤しまくってるんだけど、その中で生まれた何十案からベストを見極めるには、作る時以上に本当に考えないと辿り着けない。
そのために、やっぱり何度も最初の「目的」に立ち返って、少しずつ答えに近づいていく。それを、みんなそれぞれやってるのかなって思います。

試行錯誤しまくっているなんちゃんさんの制作メモ②③
マーケティングも、説明できない感覚も大切
伴走型支援だからこそ、議論を重ねて信頼関係を築く
らっぴー
本当に一歩ずつ、ベストを手繰り寄せていく。完成品を見るだけだと、裏側にそんな泥臭くて地道な積み重ねがあるとは…。
それを感じさせないところまでが、きっと仕事なんですよね。
「デザイン」という言葉からは、完成した綺麗なものだけを想像しがちですが、実際はとても理論的な構造に支えられてますよね。
UK
それがないと、作れないし、選べないですからね。
「綺麗なものを作って」と言われたとき、「綺麗」ってほんとに人それぞれなので。だから、「今回の施策においては、これを『綺麗』と定義します」っていうのが企画書(要件定義書)の役割です。
その指針があるから、「切り口をいくつか用意しました。この中で一番目的を達成できそうなのはこれですね」って選び方ができるわけです。根本の目的を定めてなかったら、「僕は赤が好きなので、これとか好きです」みたいなレベルの話しかできない。
そうなると、「僕が好きな感じの、なんか赤いもの」ができて終わりです(笑)
らっぴー
確かに。個人の好みやその時の気分によって、提案が左右されそうです。
UK
僕らは趣味でやっているのではなく、人生を賭けた事業の一部を預かっているわけじゃないですか。そうである限りは、一番重要なのは「結果を出すこと」なので。
はっきりと「目的」があって、それが理論的に整理されていないと、クライアントさんを含めて全員で同じ方向に全力は出せないですよね。
トシ
ときには、たとえ先方から修正依頼がない部分でも、「目的をより尖らせて本質を表現するにはどうしたらいいか?」と社内で追求するプロセスもありますよ。
もち
よくありますね。今回の動画もまさにそうでした。
らっぴー
目的達成という「結果」を出すために、シビアになる面もあるんでしょうか。
UK
シビアというか、要所要所では、マーケティング目線でドライな判断が必要なときもあると思います。
らっぴー
マーケティング目線の判断。
UK
事業や会社の説明をするとき、そこに愛情を注いでいるほど「自分が伝えたいこと」を伝えたくなるじゃないですか。
でも、結果を出そうと思ったら、「相手が知りたいこと」を予測して伝えないといけない。
ライティングで言えば、「ここではこういう想いを伝えてほしい」と要望をもらったりすることもあるんですけど、「本当にそれでいいんですか?」ときちんと問うということです。そういうクライアントさんとの綱引きは、よく起こりますね。
ただ、「マーケティング目線で言えばこうです」というのは絶対解ではなくて、事業を続けてきたからこそ持っているクライアントさんご自身の勘やセンスが結果を生むときもあるので、その時々のバランスですよね。
らっぴー
なるほど。どちらが必ず正しいというものではなくて、常にそこに対する葛藤を持っているからこそ議論ができて、完成度を上げていけるということですよね。
もち
そうですね。その部分は、ワンソードの目指す「長期的な伴走型支援」ととても相性がいいと思います。
必要な場面で意見がぶつかったとしても、その時々でクライアントさんと真摯に議論をして、納得するかたちを模索する。そうやって、施策を重ねるごとにお互いに信頼を積み重ねていけるから、相互に切磋琢磨してバージョンアップさせ続けられる。
それこそが、ワンソードの伴走型支援の価値だと思っています。
以上、CCDさんウェブサイト改修、デザインチームへのインタビューでした!
引きと寄りを繰り返して精度を上げる、というのはよく言われることかもしれませんが、
「引き」が社会全体まで、「寄り」が一文字一文字の間隔まで、というのは、私の想像を超えていました。みなさんはどうだったでしょうか。
ワンソードのワークフロー大公開、第一編はこれにて完結です。
ワークフローどころか、メンバーみなさんの思考まで大公開しちゃった感じですが…!(笑)
伴走型支援を通して、クライアントさんと一緒に、貪欲に成長を続けるワンソード。
今後の挑戦にもぜひご注目ください!
そして、デザインや広報にお困りの方、長期的な伴走支援をお求めの方は、ぜひ一度ワンソードにご相談ください。
制作などのハード支援だけでなく、事業の原点や現状を深掘りするワークなど、ソフト面の支援も可能です。
ご興味のある方は、下記よりお気軽にご連絡ください!
ご相談、お待ちしております。