QUEST 2「ビジョン明文化」前編〜みんな何に怒っているのか?〜|ONE SWORD株式会社

QUEST 2「ビジョン明文化」前編〜みんな何に怒っているのか?〜

リニューアル
緒方 裕美

こんにちは!広報のろみひです。

「ONE SWORDの新しいウェブサイトができるまで」を発信するこのシリーズ。
前回、「コンセプトを探す冒険」が一段落し、今回より新たなクエストがスタートします。

次なるテーマはズバリ「ビジョン」と「ミッション」
コンセプトと同様、一筋縄ではいかない内容でしたが、これから何度かに分けてお伝えしていきますね。

 

 

“安部ソード”から”ワンソード”へ

今回のウェブサイト制作およびアイデンティティの明文化について、「”らしさ”をきちんと表現したい」というのが大きな目的のひとつだったのですが(初回の記事参照)、実はもうひとつ裏テーマのようなものがありました。

それが見出しにもある、「安部ソードからワンソードへ」というもの。

要約するなら、「代表安部の色が強いワンソード」から、「みんなの色を持ち寄ったワンソード」にしていこうという意味です。

 

 

企業の立ち上げ時に必要な言葉というのは、多くの場合、言い出しっぺの人(大体代表)が書くことになります。

つまり、今回の私たちのように外部の方に委託してみるまでは、とくに創業者の色が前面に出てくるものなのです。(それ自体に、良い悪いはないですが)

 

 

ある意味、最もその影響が見えやすいのが、今回再定義していく「ビジョン」の部分かもしれません。

クエスト2は、この部分を導き出すプロセスになりますが、その内容について語る前に、一応これまで掲げていた言葉を載せておきますね。

リニューアル前のVISION/MISSION/STRATEGY全文を読む

VISION / 実現したい世界 経済成長が幸福度に比例する社会
世界を見渡すと、「経済成長」という言葉が未だに人類共通のゴールかのように当たり前に用いられているのが現状です。

特に先進国においては、経済発展やGDPの最大化がもたらす国民一人一人の幸福度への影響は一定の水準を超えると相関しないということは明らかになったにも関わらず、です。

私達ワンソードは人類が人生においてほとんどの時間とエネルギーを賭している企業活動の在り方に問題があると考えます。

具体的には、企業にはステークホルダー(利害関係者)の幸福度の最大化や動植物や自然環境の持続的な繁栄よりも経済成長による株主への利益還元の最大化が優先されるという力学が働いているということに大きな問題意識を抱えています。

長期的に見ればステークホルダーを蔑ろにする企業が持続的に繁栄することはないということも明確になっているにも関わらず、(重要ではない)緊急な問題への対応に追われ、負の連鎖に陥っていると理解しています。

が、その連鎖を断ち切らなければ、いつまでたっても現状は変わりません。

私達はこれからの時代において、事業成長に比例して全方位へのステークホルダーがより幸福になるという相関を持つ「八方よし※」を実現する企業=ソーシャルグッドな企業がその負の連鎖を断ち切ることができると信じています。

そしてそんな企業が次の時代のスタンダード(当たり前の基準)になり、ソーシャルグッドな企業で溢れる社会を実現するべく、日々支援活動を行っています。

そして最終的にワンソードのような存在が必要なくなり、笑顔で解散することを夢見ています。

※…現代版三方よしの考え方。全方位のステークホルダーとは社員、取引先、債権者、株主、顧客、地域、社会、国、経営者を指す。

元鎌倉投信新井和宏氏著書「持続可能な資本主義」より引用。

MISSION / 私達に与えられた使命 道徳と経済を両立する企業を増やす

かの二宮尊徳氏は言いました。
道徳なき経済は罪悪であり、
経済なき道徳は寝言である
と。

道徳心を欠いた事業はいくら事業が伸びても、それは罪悪(わるいこと)であり、経済合理性に欠ける事業はいくら綺麗事だけ言ってもそれは寝言だと断じました。

私達は各分野において規範となるような持続可能な事業モデル(循環する生態系)をパートナー企業と共創することで社会性と経済性を両立するソーシャルグッドな企業を増やすことを使命としています。

STRATEGY / 事業戦略 広報と広告の両翼でソーシャルグッドな企業の支援事業を行う

営利・非営利に関わらず、社会性に長けた事業者は専門領域の知見や技術に比べ、マーケティングナレッジやリソースが不足していることがほとんどです。

我々ワンソードはそんな企業にとって新しい時代を切り拓く、一太刀を入れる武器のような存在として、事業戦略づくりから各種クリエイティブ制作やシステム開発、広報や広告施策まで、包括的な伴走型支援を行います。

 

 

今回のクエストを経て、これらの言葉がどのように変わっていくのか、楽しみです!

(※)社内全体で周知するにまで至っていませんでしたが、厳密にはこの後に更新したフレーズもあります。

ONE SWORDのビジョンとミッション(2020年版)

 

 

2つのワーク 代表安部の憂鬱

そんなこんなで、コンセプトのときと同様、2つのワークがメンバーに課されます。

ワーク③ レイジアゲインスト
Q.今の世の中に対する不満について教えてください

Q.今の世の中に対する不安について教えてください

 

 

なるほど……!!

前回の「タグシャッフル」や「バイブルズ」に比べると、意図が汲み取りやすいワークかもしれませんね。

私個人の話で言えば、世の中に対する不満や不安を感じることは昔に比べて少なくなったように思います。

が、女性として結婚・出産のことなどを考えると、「もっとこうだったらいいのに」と思うようなことはたくさんあります。

 

 

ワーク④ ヒートマップ
現行のウェブサイトに掲載されている、「ビジョン」「ミッション」「ストラテジー」のテキスト(社長が作成)について、以下の基準にて文節ごとに色を変え、ヒートマップを作成してください。

RED→激しく共感する
ORANGE→共感する
YELLOW→言われてみれば、そうだと思う
BLUE→否定はしないが、正直ピンとは来ていない
PURPLE→自分の意見とは違う

 

 

これはまた、なかなか意地悪なワーク……!

私たちはただ自分の心の声にしたがって色をつけていくだけなので問題ありませんが、「自分が書いたテキストが、自分以外の全員から検査・分類される」場面を想像すると、私なら耐えられる自信がありません(笑)

 

 

ちなみに、このワークが出された瞬間の社長の表情はこちらになります。

普通に笑えていない安部さん

淡々と色付け作業を行なっていきました。

うつろな目で待つ安部さん

 

 

みんな、何に怒っているのか

ワークの答えに関して、全ての回答を列挙することは今回はしませんが、

社会のあり様に強い関心を持つ20〜30代の若者たちが、現在どんな不満を抱いているのか、なかなか知る機会も少ないと思いますので、ここだけはスペースを割いてご紹介したいと思います。

 

 

安部
安部の不満
人間の幸せの評価軸が未だに経済成長だとして政治や経済が議論されている現状。
(不満というよりは、そこから解き放たれて別の軸で生きれたらめちゃ楽しいよ気持ちいいよと訴えたい)
nobu
nobuの不満
世の中の仕組みに支配されてて、知らず知らずのうちにコントロールされてること。
スポンサードビジネスが大きな要因かもしれない。
矢萩
矢萩の不満
富んだものがさらに富んでいく社会構造。
小さい頃にお金の教育を受けたかった。
小さい頃にビジネスの教育を受けたかった。
十川
十川の不満
世の中に対してあまり不満らしい不満はないかも。
昔であれば、延々と書けそうな内容だったが、今はもう何も期待していないのかもしれない。
軽減税率みたいな、明らかに理にかなっていないように見えることは嫌いだが、それくらい。
ろみひ
ろみひの不満
無意識レベルの「女性に対する固定観念」がまだまだあること。
日本の学校教育。
正直者が損をする仕組み。
フリーランスだと産休・育休などの保証が受けられないこと。
toshi
toshiの不満
経済優先のために搾取される人が出てくることはぜったいになくさないといけない。
環境破壊もそのひとつ。大国が世界全体の方針をほぼ決めている国連の仕組みを変えるべき。
年金制度は崩壊してるので再構築すべき。新卒採用という仕組みはなぞ、新卒じゃないといけない理由がよくわからんし、そうじゃなく能力や個性を純粋にフォーカスして自由な採用文化を作っていかないといけないのでは?
ななち
ななちの不満
独占主義。お金も環境ももっと分かち合えば足りるのにな。
肥塚
肥塚の不満
不条理や無駄、既得権益とか。
逆転しづらい環境。
宮原
宮原の不満
世の中に対する不満って言われると難しい...
不満は溜まる性格してるけど、世の中とか、安倍政権(首相の方)とかに対して思ったことはあんまりない。
広い視野で見れてないだけかもしれない。
一昨日見た、クレヨンしんちゃんのおとな帝国の逆襲で描かれてたようなのんびりとした平和な生活がしたい。今は便利すぎて息苦しい。

 

 

うーーーん。ワンソードの面々は、比較的温和そうな人が多いと思うのですが、こうして書いてみるとみんななかなか鬱憤が溜まっていますね(笑)

 

 

不安についても、下でダイジェストとしてまとめていますが、ワンソードで2番目に若い肥塚くんが書いている内容が印象的でした。

「みんなが幸せに生きていける世の中になりそうにないのがとても不安。”お金のいらない国”が理想ですが、あと10回くらい人間が滅ばないと無理だろうなあと思ってしまう」

づかくんは私と数年ほどの年齢差ですが、それでも、これを読むと「若い人たちが希望を持てる世の中になってほしい」と、心から感じます……

 

 

みんなの「不安」ダイジェストを読む
  • コロナをキッカケに訪れるだろう混沌時代では、身体的精神的弱者にとっても生きやすい社会をどうやってつくるかが重要になると思う。
  • 長いものにまかれる風潮によって、多数決が勝ちみたいなところ。
  • またライブにいける日が来るのかどうか。
  • 老後の収入は保証がないので、死ぬまで働く前提で、それ自体はいいけど、そのときに本当に稼ぐことができるかどうかが不安。決して体力があるわけでもなく、システムのスキルがその時まだ役立つかも分からないので。
  • また昔みたいにみんなで飲みにいけるようになるのか。
  • 自分が継続的に稼げるか、稼ぐのに必要なスキルを持てるか。
  • 将来、子どもたちが安心して暮らせる地球環境を保てるのか。
  • 在宅生活による教育の質の低下、コミュニケーションの希薄さ。
  • 飲食店やリアル店舗の倒産とオンライン化による富の集中。
  • 世界的な経済危機による紛争や貿易摩擦の発生。
  • 教育の偏りや不安定さ。
  • メディアの偏り。
  • SNS見てるとみんなどこかに文句言ってること。

 

 

回答を元に 次のセッションへ

続いて、1週間近くに渡って安部をそわそわさせたヒートマップについて、こちらに回答をまとめました。
色付けの仕方も本当に人それぞれの結果になりましたが、代表で私のものをご紹介しますね。

 

 

青や紫の部分は何が引っ掛かったのか。そのあたりの説明はまた詳しく行なっていきますが、これらの結果を元にセッションを行い、「ビジョン」の再定義を行なっていくことになります。
今回はここまで、次回は「2つのワークから新たなビジョンが再定義されるまで」をお送りします!乞うご期待!\(^^)/

 
 
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