4小節のロック楽典②  The Doors~ハートに火をつけて~

開発の十川です。
今回もロック楽典の話をしようと思います。

そもそもロック楽典とは

については、こちらの記事を見てくださいまし。

4小節のロック楽典①  David Bowie~世界を売った男~

2018.09.14

とにもかくにもロック楽典において大事なのは
・奥深さ(おもしろい、他の人が誰も使ったことがないんじゃないかってくらいの新規性)
・聞きやすさ(自然、無理やり新規性を追い込んでない)
両立ということでした。

The Doors~ハートに火をつけて~


今回取り上げるのは、ドアーズのファーストアルバムにして名盤中の名盤でもある「The Doors」の収録曲で、ドアーズの代表曲の一つ。
ロックンロールキッズが必ず通る道の一つでもある「Light My Fire(邦題:ハートに火をつけて)」です。

こちらもまだ聞いたことがない人は一度聞いてみてください。


wikiのリンク置いときますね

印象的なイントロ、ミステリアスなAメロ、キャッチーなサビに、ドラマチックなインストパート
と、取り上げたい箇所は尽きないのですが、今回は簡潔に書けるAメロの箇所をピックアップしようと思います。

地味ながらも独特の音選びのAメロ

AメロはAmとF#mの2つのコードを繰り返すだけですが…

Aメロを構成するこの2つのコード。実は結構相性の悪いコードです。

というのも、Aマイナーの構成上とても重要な短3度の音「C」がF#mではAメジャーの長3度である「C#」になってしまうのです。

和音は主に、1度+3度+5度で構成されます。
Cメジャーというと、ド(1度)+ミ(3度)+ソ(5度)といった感じです。
この3度の音(ここでいう「ミ」の音)は長3度なのですが、これを半音下げてミ♭にすると短3度となり、これだけで和音が短調になります。

長3度と短3度の扱いはとても繊細なのです。

この「C」と「C#」が交互に登場することが、このAメロをより不安定で怪しい雰囲気にしていると言えるでしょう。

こんなドアーズはいやだ

もしこの2つのコードに手を加えて、「C」か「C#」のどちらかしか出てこなくしたらどうなるのでしょうか。

変更方法を2つ考えてみました。

1つ目のコードをAマイナーからAに変更する(「C#」のみにする)

この方法では、Aマイナーに含まれていた「C」を「C#」にしてしまいます。

「C」を「C#」に変更しただけではありますが、長調と短調の違いは計り知れません。


このコード進行自体は結構メジャーで、様々な曲で登場します。
そのくらい素直なコード進行なのですが、やはりそれではドアーズの雰囲気にはマッチしません。

2つ目のコードをF#マイナーからFに変更する(「C」のみにする)

今度は逆にF#mに手を加えてみましょう。
C#をCにするのに一番簡単な方法はルート音を半音下げてあげることです。

AmとFの繰り返し。これもまたメジャーなコード進行です。


こっちのコード進行はさらにメジャーで、もうほんとに古今東西の多くの曲に登場します。

もちろんどちらも決して悪いコード進行ではないのですが、
あの独特な空気感はやはりあのコード進行にしか含まれません。

せっかくなのでもう一度“本家”聞いてみませんか。

最後に

ロック楽典第二段いかがだったでしょうか。
やっぱりこの辺りの時代は面白いコード進行が多くて、僕の心を掴んで離しません。
ありがとうドアーズ…

最後にドアーズのボーカル、ジム・モリソンの名言をおいて終わろうと思います。

人は自分自身を恐れている、自分自身の現実を。何よりも自分の感情を恐れている。人は「愛は素晴らしい」なんて口にする。だけど、そんなものは戯言に過ぎない。愛は苦しく、感情はわずらわしい。僕たちは、苦痛は邪悪で危険なものだと教え込まれる。だけど、感情を恐れている人間が、どうやって愛と向き合うというのか?苦痛は僕らの目を覚ましてくれるものだ。人は苦痛を覆い隠そうとするが、それは間違い。苦痛はいつも持ち運ぶべきもの。ちょうどラジオのように。苦痛を経験することで、強さを感じるはずだ。苦痛をどのように持ち運ぶか、それが重要だ。苦痛とは感情。感情は君の一部だ。君自身の現実だ。君がそれに恥じを感じ、隠そうとするなら、君は社会が君の現実を破壊することを許したことになる。苦痛を感じる権利のために戦え

-Jim Morrison ※出典http://estorypost.com

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